老朽化吹付モルタル補修工(トーコンプラス工法)
【特長】
トーコンプラス工法は、老朽化した既設モルタル・コンクリート吹付面をリニューアルする技術である。
「老朽化モルタル・コンクリートのはつり作業が不要」
・産業廃棄物を発生させない、環境に配慮したリニューアル技術です。
「地山と新旧モルタル・コンクリートを一体化」
・フレームワッシャーとファスナーボルトを用いて、より安定した法面にリニューアルします。
「地山の状態に応じた豊富なバリエーション」
・地山背面の風化深さに応じてSタイプ、Lタイプ、Rタイプを選定し、空洞がある場合は充填注入(G)をおこないます。
「2種類の短繊維を配合した高品質モルタル」
・ポリプロピレンとポリエステル短繊維の相乗効果によって、曲げ強度、曲げタフネスおよび耐久性が大幅に向上します。
「施工後のひび割れの発生を抑制」
・フレームワッシャーと高品質モルタルの相乗効果によってクラックの発生を抑制します。
【対応箇所】
・Sタイプ、Lタイプは、地すべりや表層崩壊の兆候はなく、モルタル吹付のみで長年の間安定を保っていた既設法面に対応します。
・Rタイプは、既設吹付面の背面地山の風化深さが1~3m程度あり、不安定化している法面に対応します。
・長期間の供用により、モルタル吹付面に亀裂が発生していたり、空洞化現象やモルタル片の剥離などが発生し、何らかの延命化対策や補修工法が必要な法面に対応します。
【利点】
・老朽化したモルタル吹付法面をはつり取らずに補強・補修する工法なので、建設廃棄物の排出が抑えられる。
・はつり作業がないので、安全であり、仮設防護柵が不要なので、工期短縮ができる。
・老朽化した補修法面に補強鉄筋等を打設し、フレームワッシャーを補強鉄筋の頭部に設置して、繊維補強モルタルを吹付けるので、地山と既設吹付と新規モルタル吹付の一体化がはかられ、新規吹付のはく離・はく落を防ぐことができる。
・打設した補強鉄筋の頭部にフレームワッシャーを連結することにより、空洞充填注入による既設吹付の浮き上がりを抑えることができる。
・フレームワッシャーを設置後に繊維補強モルタル吹付を施工するので、構造的に強くなり、新規吹付にかかる負荷に対し以前より大きな荷重まで対応が可能となる。
透水性吹付コンクリート工(ザルコン工法)
【特長】
ザルコンとは、 現場で混練りした材料をモルタル・コンクリート吹付機で吹付けることにより透水性コンクリートを造成する技術で、『ザル』のように水を通すコンクリートである。ダム湛水のり面、道路のり面、河川護岸の堤外地のり面など水の影響により変状を受けやすい箇所などに適するのり面保護工である。
①ザルコンは吹付部背面の地山が浸食されないため、モルタル吹付工などの密閉型のり面保護工に比べ、維持管理を含めたライフサイクルコストで安価となる。
②ザルコンはモルタル吹付工に比べ、単位セメント量が約 70%、単位水量が約 40%と非常に使用量が少なく、またビニロン短繊維を混入していることから、硬化収縮・乾燥収縮によるひび割れの発生を著しく低減できる。
③ザルコンは混入したビニロン短繊維による補強効果により曲げ・引張り靭性に優れている。
④ザルコンの空隙径は 1mm 程度で、15%以上の連続空隙を有しているため、植物根系の伸長が可能である。植生が十分に可能な立地条件(地山状態、降水量、勾配、地中からの水分供給)であれば、草本植物を用いた緑化は可能である。
⑤ザルコンの吹付表面は小さな凹凸に富むため、コケや地被植物による修景緑化が図れる。
【対応箇所】
<道路事業>
①のり面保護工(従来のモルタル・コンクリート吹付工適用箇所)
②のり面保護工(植生工の緑化基礎)
③道路側溝および小段排水溝(流水部に有孔管を布設し、その周辺部の間詰めに適用)
④斜面沢部の水路を兼ねたのり面保護工
<河川・砂防事業>
①河川のり覆護岸工
②砂防ダム堤体周辺ののり面保護工
③急傾斜地ののり面保護工
<ダム・ため池事業>
①ダム湛水のり面保護工
②ため池堤体のり面保護工
【性能】
・圧縮強度:σ≧12N/mm2
・透水係数:k≧1×10-1cm/s(中位の砂~礫相当)
【利点】
①背面土粒子の吸出しを伴わず地下水のみをスムースに排水する。
②植生工の併用により早期に動植物の生息空間が確保されるなど安定性の向上、永続性の確保、維持管理の軽減が図れ、周辺環境との調和を図ることができる。
岩盤接着・高強度特殊モルタル吹付工(ニュージャストショット工法)
【特長】
ニュージャストショット工法は、結合材の一部と骨材のすべてに、リサイクル材料である高炉スラグ材を用いた環境負荷低減型のプレミックスモルタル材を、吹付機で吹付ける工法です。
岩盤などの割れ目や充填、不安定岩塊の固定に優れ、コンクリート構造物の断面補修にも適した工法です。
従来では困難であった酸性条件下や高所・長距離吹付も可能な工法です。
【NJSモルタルの特徴】
・無機系無収縮短繊維混入モルタルで、ひび割れの発生を著しく低減できるプレミックスタイプの材料
・高強度(30N/mm2)・高靱性・強い接着力・耐酸性(日本下水道事業団 断面修復用モルタル品質規格)
・乾式吹付機による長距離圧送が可能(ホース延長300m、垂直100m)
・結合材の一部と骨材全量をリサイクル材料で配合
【対応箇所】
・落石発生源対策としての岩盤接着工(酸性条件下でも対応可能)
・岩盤の岩盤接着工・法面保護工(同)
・塩害を受ける構造物の断面補修
・下水道コンクリートライニングの断面補修
・温泉地周辺コンクリート構造物の表面被覆
・ホース延長300m、直高100mの高所・長距離吹付
【利点】
・長距離圧送が可能(直高100m、ホース延長300m)
・目地の施工能率が高く、施工コストが安価である。
・目地の充填性に優れる。
・ロープ足場で施工できる。
・吹付工法であるため、高強度である。
長距離・高揚程・高強度圧送吹付工(ファーストクリート工法)
【特長】
重量比1:3配合のモルタルに、高性能AE減水剤とモルタル・コンクリート吹付工用クラック発生抑制短繊維材「キリファイバー」(NETIS No.KT-140036-VE)を混合させた高流動性モルタルをコンクリートポンプにより、吹付箇所の近傍に設置した合流装置(ラインミキサ)まで圧送する。合流装置(ラインミキサ)内で特殊急硬剤とエアを混合させ、瞬時にエア搬送に適する低スランプにし、均質かつ高強度のモルタルをのり面に吹付ける工法である。
【対応箇所】
従来工法では、施工が困難である、吹付プラントから直高45m以上、ホース延長100m以上の位置にある箇所への施工が可能となる。また、従来工法より高強度(設計基準強度σ1ck=24N/mm2)であるので、従来工法では難しい高強度の構造物への吹付が可能となる。
・法面保護に用いる吹付工・吹付枠工
・グラウンドアンカーの受圧構造物(吹付枠工、受圧板)
・長距離・高揚程の施工難所の構造物構築
・落石予防工(根固め工)など
【利点】
①高流動モルタルを用いることで、長距離・高揚程の施工が可能となる(高さ120m、配管延長500m)。
②1:3モルタルという単位セメント量が482kg/m3と多いので、リバウンド少なく、均質で高強度な構造物を構築できる(設計基準強度σck=24N/mm2)。
③特殊急硬剤の添加量の増減により、モルタル硬化時間の制御が可能である。
④キリファイバーを混入することで、クラックの発生を抑制することが可能となる。